胃内視鏡検査でわかる病気

胃内視鏡検査でわかる病気

胃内視鏡検査は、咽喉、食道、胃、十二指腸の粘膜に起こった変化や微細な病変を発見可能です。組織の採取が可能なので、早期のがん、潰瘍、炎症など幅広い疾患の確定診断につながります。

また、胃の老化である萎縮の状態から将来の胃がんリスクを確認する、ピロリ菌感染の有無を検査することも内視鏡検査で可能です。

胃の病気

ヘリコバクター・ピロリ菌感染

胃の病気胃疾患の原因となるヘリコバクター・ピロリ菌感染の有無を内視鏡検査で確認できます。感染している場合、除菌治療を受けて菌を除去することで、慢性胃炎の進行、胃がんの発生、胃・十二指腸潰瘍の発生を予防することができます。次世代へのピロリ菌感染を防ぐことにもつながります。

早期胃がん

がんが胃粘膜の表面近くにとどまっているため、内視鏡による手術で完治できる可能性があります。ほとんどの場合、この段階での自覚症状がないため、早期胃がんの発見には内視鏡検査が不可欠です。

進行胃がん

がんが粘膜下層より深く浸潤した状態です。すでにリンパ節や多臓器へ転移していたり、その可能性がある状態です。内視鏡での治療は不可能ですので、治療は入院が必要な外科手術や化学療法などになります。日本人のがんによる死亡原因でも、いまなお胃がんは上位にあります。それでもピロリ菌検査・除菌治療などの普及により、胃がんによる死亡者数は減少してきていますし、定期的な内視鏡検査が一般化したら、死亡者数はもっと減ると考えられます。当院では早期発見のため楽に受けられる内視鏡検査を行うことで、地域の方の健康と生活の質を守ることにつなげたいと考えています。

スキルス胃がん

病変が粘膜表面に現れにくく、かつ進行が早く発見しにくいタイプの胃がんです。発見された時にはすでに進行がんであることがほとんどです。
若い世代に比較的多く、30~50歳代に多いとされています。症状が起こらないまま進行するケースがよくあるのですが、若いうちに内視鏡検査やヘリコバクター・ピロリ菌検査を受けて感染していたら除菌治療を受けるなどで、リスクを軽減することも可能です。

胃悪性リンパ腫

胃粘膜にも悪性のリンパ腫が発生します。ヘリコバクター・ピロリ菌感染があるケースが比較的多いとされています。他の臓器に転移していない早期の場合は除菌が成功すると腫瘍が退縮します。
治療では、ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌の他、外科手術、化学療法、放射線療法などが用いられます。

胃腺腫

胃の粘膜に発生する良性の腫瘍です。胃腺腫と診断されたらがん化する可能性があるため、内視鏡的切除が必要になります。

胃潰瘍

ヘリコバクター・ピロリ菌感染、そして痛み止めの非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)服用が大きな原因となっています。また喫煙、ストレスなども胃潰瘍発生に影響を及ぼします。
ヘリコバクター・ピロリ菌感染がある場合、除菌治療成功により潰瘍の再発を予防できます。
痛み止めの非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)は、胃の血流を阻害して胃潰瘍を発症させます。慢性的な頭痛や腰痛、関節痛などでどうしても服用が必要な場合には、消化器の専門医に胃の状態を定期的にチェックしてもらい、胃酸を抑える薬などを処方してもらうとリスク軽減につなげることができます。

胃静脈瘤

肝硬変をきっかけにして起こる疾患です。肝炎などによって起こる肝硬変では肝臓への血流が阻害され、行き場を失った血液が食道や胃に流れてきます。それにより胃の静脈に異常な膨らみができている状態です。肝硬変の悪化により静脈瘤が大きくなり、破裂してしまうと命に関わることもあります。消化器の専門医をできるだけ早く受診しましょう。

胃粘膜下腫瘍

粘膜から発生した悪性腫瘍はがんと呼びますが、粘膜より深い層から発生した腫瘍は胃粘膜下腫瘍といいます。内視鏡では粘膜のもり上がりとして観察されます。GIST(消化管間質腫瘍)、平滑筋腫瘍、神経系腫瘍などがあります。大きなもの、増大傾向のあるものは切除の適応になります。転移を来たすこともあり、手術に加え、化学療法が必要になる場合もあります。

表層性胃炎

胃粘膜表面に線状の赤い炎症が起こっており、痛みなどの症状はあります。胃酸過多で発生しやすく、ヘリコバクター・ピロリ菌陰性で胃酸が多い方によくみられます。ストレスや不安、暴飲暴食などが原因になるため、治療では生活習慣や食生活の改善が重要です。

萎縮性胃炎

ヘリコバクター・ピロリ菌感染によって起こる胃の慢性的な炎症が長期間続くことで、胃粘膜が薄くなって老化し、萎縮します。これにより胃がんの発生リスクが高まることがわかっています。
萎縮が進行すると胃の粘膜が腸の粘膜のようになる「腸上皮化生」が起きて荒れていき、ヘリコバクター・ピロリ菌も生存できなくなることがあります。その場合、ヘリコバクター・ピロリ菌検査では陰性となりますが、胃がんリスクは最も高い状態です。内視鏡検査で粘膜の状態をしっかり観察して、迅速に適切な治療を受ける必要があります。

鳥肌胃炎

慢性的な炎症で、リンパ濾胞という羽をむしった鳥の肌に似た細かいポツポツができます。胃の出口付近にある前庭部に発生し、スキルス胃がんとの関連が指摘されている胃がんリスクの高い疾患です。ヘリコバクター・ピロリ菌陽性の場合には除菌治療と定期的な内視鏡検査が特に重要です。胃の痛みなどの症状が出やすいため、そうした症状があったら、早めに消化器専門医を受診しましょう。

胃憩室

胃内壁の一部が外側に向かって袋状に飛び出る疾患で、筋肉の層が薄くて弱い胃の入り口と胃の出口に発生しやすいとされています。内視鏡検査で、この部分がくぼんでいるように見えたら、胃憩室が疑われます。

胃アニサキス症

魚介類に寄生する寄生虫で、生で食べることの多いサバ・サケ・アジ・イカ・タラなどにより感染します。近年、報道されることが増えたため注目されており、日本では年間3000件の発症が報告されています。加熱や冷凍により感染を防げますし、肉眼で確認できるサイズですから適切な処置を行った魚であれば生食しても感染する危険性はほとんどありません。感染すると激しい腹部の痛みが生じますが、内視鏡で除去することにより痛みはすぐにおさまります。

胃底腺ポリープ

胃にできる良性のポリープです。大腸ポリープと違い悪性になることは通常なく、自然に小さくなる・消失することもあります。ヘリコバクター・ピロリ菌感染のない方にできることが多く、原因は不明ですが女性ホルモンの関与などが考えられています。ヘリコバクター・ピロリ菌検査と採取した組織の病理検査を受けることで確定診断を行います。

食道の病気

食道がん

初期症状がほとんどなく、進行がんになってはじめて水を飲んだときにしみる、固形物が詰まるなどの症状が現れるケースが多いがんです。ヘビースモーカー、強いお酒を長年飲み続けたことにより発症します。近年、食の欧米化が原因による食道がんも増えています。ごく早期の食道がんであれば内視鏡的治療が可能です。食道には胃や大腸にある漿膜(しょうまく)がないため、早期からリンパ節や多臓器に転移を起こしやすく、抗がん剤、放射線治療、難易度の高い手術が必要になることが多いです。
内視鏡検査で早期発見が可能な病気ですから、当院では胃内視鏡検査の際には食道もしっかり確認しています。

逆流性食道炎

胃酸が食道に逆流して炎症を起こす病気です。食道には胃酸から粘膜を守るメカニズムがないため、胃酸が逆流してくるとびらんや潰瘍などになりやすいのです。長期間、逆流が続くと食道がんのリスクが高まるため、早めに適切な治療を受ける必要があります。
胸やけ、胃もたれ、喉や胸の痛み、しつこい咳、喘息、耳鳴り、めまいなど、幅広い症状が現れる場合があるため、こうした症状が複数ある場合には消化器専門医の受診をおすすめしています。
食事の楽しみや快適な睡眠を阻害することが多いのですが、生活習慣のちょっとした改善が不快な症状の改善につながることもよくあります。効果の高いお薬も登場していますので、早めに受診して適切な治療を受けてください。

食道裂孔ヘルニア

食道と胃のつなぎ目がゆるんだ状態をいいます。その結果、逆流性食道炎が引き起こされます。原因は、胃の入り口に腹圧がかかることです。肥満、食べ過ぎ、おなかの締めすぎ、長年のしゃがみ仕事、高齢者など腰が曲がってくることなどが原因になります。

食道・咽頭乳頭腫

咽頭は喉の入り口部分のことで、食道や咽頭にできる良性の腫瘍です。白く小さな隆起が認められます。胃酸逆流の慢性的な刺激によってできているとみられています。

食道静脈瘤

胃静脈瘤と同じく、肝硬変が原因で大量の血液が流れ込み、静脈に異常な膨らみができています。肝硬変の悪化によって静脈瘤が大きくなっていき、破裂すると激しい吐血や下血などによって生命にも危険が及ぶ可能性があります。
基本的に無症状のまま進行するため、内視鏡検査が有効であり、内視鏡による治療も可能です。

食道粘膜下腫瘍

食道がんは表面に生じますが、これは粘膜より深い層から発生する腫瘍です。平滑筋腫や血管腫といった良性腫瘍である場合がほとんどであり、内視鏡検査による経過観察を行います。ただし、大きな腫瘍や、急激に大きくなった腫瘍、悪性リンパ腫やGISTなどの悪性腫瘍が疑われる腫瘍の場合には、組織を採取して確定診断を行います。場合によって、外科手術を行うこともあります。

食道異物

食道に通過障害を起こした状態で、魚の骨、薬のシート、入れ歯、大きなまま飲み込んでしまった食物などがあります。食道を傷付ける可能性がありますので水をたくさん飲んでも症状が改善しない時や症状が持続する場合は、すぐに消化器専門医を受診してください。

食道異物

十二指腸の病気

十二指腸がん

胃がんや大腸がんに比べて頻度はまれですが、内視鏡による治療が難しいため大手術が必要になることが多い疾患です。早期の病変を発見するためには、定期的な内視鏡検査が重要です。

十二指腸潰瘍

胃潰瘍と同じように、傷付いた粘膜やその下の組織が一部なくなっている状態です。ヘリコバクター・ピロリ菌感染によって起こるケースが多く、除菌治療は再発防止に効果的です。比較的若い世代に多いため、慢性的な腹痛がある場合には年齢にかかわらず内視鏡検査をおすすめしています。

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