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2017.10.23

スポーツ選手とクスリ

台風21号の影響で、大雨の中行われた衆院選は自民党の圧勝で終わりました。
いつものように夜には選挙速報をテレビ各局が放送していましたが、開票率1%で当選確定となってしまうことに違和感を感じるのは私だけでしょうか?落選した候補者の気持ちになると最後まで数えてよ!と思ってしまいます。

また選挙速報の裏でボクシングWBA世界ミドル級タイトルマッチも放送されていました。村田諒太選手が、前回、誤審での判定負けの再戦を行ったのです。結果は終始相手を圧倒した村田選手が見事TKOで勝利!新チャンピオン誕生となりました。勝ったこともそうですが文句のつけようのない、スッキリした決着に終わったことに安心しました。

歓喜の瞬間

さて、村田選手もそうですが、たまに診療を行っていると、プロのスポーツ選手やオリンピック強化選手と呼ばれるような方が患者さんとして来られます。今まで、ボクシングを始め、ラグビー、野球、柔道、レーシングドライバーなど多様な競技の選手が受診されました。有名な選手だったり、自分から名乗ってくれればいいのですが、わからないまま、ふつうに診察して処方してしまう場合もあります。

ある選手は胃カメラの検査の際、まさにカメラが挿入される直前にカミングアウトされました。
クスリが注入されると饒舌になる方もいます。
そんな患者でした。

「自分、ドーピング強化選手に指定されています。」

「遅いよ!もう薬、全部いれちゃったよ!」

って感じでしたが、後から調べてみると、使用した注射薬が問題ないことがわかり一安心。しかし、一歩間違えるとドーピングにひっかかってしまう可能性があります。「試合に出られない」なんてことになったら大変です。こちらも冷や冷やものです。

そのため、そういった患者さんの場合、ドーピング禁止薬物かどうかチェックしてから処方しないといけません。とはいってもどの薬が使えないかなど正直わかりません。でも大丈夫です。「あんちょこ」があります。JADA(日本アンチ・ドーピング機構)という組織が定める禁止薬物表というものがあるので、それを用いて確認します。(どちらかというと使用可能薬から処方しています。)わかりやすいのはステロイド剤、ホルモン剤、蛋白同化剤(筋肉増強剤)です。しかし、安易に処方してしまいそうな利尿剤、風邪薬もご法度です。利尿剤については尿量が増加するので、違反薬物の尿中濃度が薄まって検出されにくくなります。そのため隠ぺい薬とも呼ばれます。風邪薬(総合感冒薬)は中枢神経興奮作用をもつエフェドリンを含むため、やはり服用できません。発毛剤も男性ホルモンが入っているため禁止です。また、競技によって使用できない薬剤なんてものもあります。わかりやすい例として、自動車レースではもちろんアルコールが禁止薬物に含まれています。

スポーツ選手は病気にかかっても、うかつに薬がのめず大変です。一方、処方するわれわれもビクビクしながら処方しなければならず、けっこう気を使います。

これから寒くなります。風邪の季節、みなさまも体調にお気をつけください。一般の方には、症状に合わせて処方いたしますのでご安心ください。

そんなわけで今回はスポーツ選手とクスリについてのお話でした。

おしまい

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